溺レる [K.H]
川上弘美 著 / 文春文庫
恋愛の 過ぎて行く一瞬を 惜しむ、傑作 短編集。
目次 》
さやさや. 溺レる. 亀が鳴く. 可哀相. 七面鳥が. 百年. 神虫. 無明 8編 収録。
(タイトルである、溺レる、の表記が 妙に すきだ)
前半の4話は、前に 読んでいたので、今回(後半)は 残りのほうを。 個人的な
かんかくなのだが、読後 こわくて微かに 震えるような 心持になっている(゜.゜)
何が と問われれば、うまく 答えられない のだけれども、一つ 挙げるとすれば、
明らかに、地上から 遊離していて 地面との接点が 失われ、どんどん ひらいて
ゆくような その感覚。
其処にいては 苦しいから、逃れるために、行動を 起こしたはずだったのに、むしろ
苦しい方へ ずんずんと歩を進めていっている、そういう 人々(男女)が 出てくる。
いや、そんなことは、当人たちが、最も よく分かっていることで あったのだろう。
『 神虫 』 の読後感が、なかなか キョウレツだった。
短編の中で、もっとも 官能的な 雰囲気を 感じるものの、何かそれだけではない
強大なエネルギーが 内含されているような 気がする。
得体の知れない 強力なものに、無情に 操られ続けてゆくような、人間の本能。
お伝えしずらいが、こういう 印象。
眠いので、このまま フェードアウトしてしまおう :)
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