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ソフィーの世界 [海外作家]



ヨースタイン・ゴルデル 著 / 日本放送出版協会


池田香代子 訳








(数年前に 読んだので、あの分厚い本の内容を、どれ程 覚えているだろう…)


これを 読んだ 事で、少しだけ、哲学と その面白さを知る きっかけとなった。
また、著者の他作品を 読もうと思ったのも、この本。

今は書店で、上下巻の形で見かけますが、持っている版は ちょっとした辞書かと
思うほどの、分厚さ。

外人の、カタカナ名が 面倒に思え、また内容も すんなりと 入ってこなかったので
途中で 止めたまま、無駄にするのだろうな…と、長い間 本棚の肥しに なっていた。

しばらく経ち、もう一度 最初から読むと、今度は 何故か とても面白くなり、頁を
先へと 進みたくなった。

西洋哲学史を、アルベルトという哲学者?が、14歳のソフィーに教えつつ、読者も
一緒に 知ることが出来る、形式となっている。知識を得つつ、小説の形の 流れも
あるので、話の結末も、気になった。

しかし、著者は 小説を あまり得意としていないのかも…と、少し 思ったりもした。
(私の思い違いのようで、著者は、小説の著作が何冊もある方でした。)


読了して(当たり前だが) 『今、私達は 人類の歴史の中で、最先端に いるのか』
と考えた。人のリレーの様に、思想も含めて、次へ次へと 受け継がれてきたのだな…
良い事も 悪い事も 含めて。

何千年も前から、人は自分の存在や、この世界の 不可思議さに対して、ずっと
心の中で 格闘しているのではないか。私を含め皆、時代の 最先端にいる人間なのに
内面で 格闘している 様々なことは、根本的な部分は、何も 変化していないのでは
ないかと、(私にとっては) 認識させられる本で あった。

欲を言うと、"時間"に 関する哲学が、ほぼ 無かったので、その項目を ゴルデルの
語り口で、読みたかった。
 

日常感じる 当たり前な事を、どうして それが 当たり前であるのか、冷静に見つめて
みると、本当は 不思議が 沢山の世界にいる のだということを、再認識 させられた。
少し角度を 変えて、物を見て みる事で、際限なく 広がってゆける キャパシティーを
持った人間の心が、最も ふしぎである。

大人になれば なる程、眼前に 現実があるから、いちいち何で、何で?と 考える事は
少なくなってしまう。「 そうなるものは そうなの! 」と、子供の頃、面倒くさがりな
親に 言われた事を、思い出す。

そうかもしれないけれど、それは それで 何だかつまらない言い分ですよね(笑。
もっと、豊な表現をしてくれたら良かったのに…

(思い込みかもしれないが)

西洋思想は、何か カチカチ している印象を、受ける時がある。 その点、東洋思想
の方が、もっと自然と 密接に 関わって 生きてきた、すっと心に 浸透してゆくような
ものを、感じられそうである。

そう、感じそうだと 思うのは、私が東洋人だからでしょうか[新月]







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