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金魚のC子 [本 & 書評]



田紳有楽 』 / 藤枝 静男 著
さて 現在の私は 分不相応の恋を得て 光ある世界のなかにいる。相手は 金魚のC子で、その馴れそめの経緯は 次のとおりである。


川上さんのエッセイ集、『 ゆっくりさよならをとなえる 』の
中で、紹介されていた 本です。

エッセイの 各項目は、字数に 限りがあり、それだけでは
小説の全貌が、よく分からなかった。 金魚のC子。


この文字に、なかなか インパクトがあり、ずっと 心の隅に
残っていて、時折 思い出しては、気になっていた。

漠然と 想像したのは、人と 金魚の、恋の話しだろうか?
という こと。 (志野筒形 グイ呑み、との恋でした)

ふと 借りてみようと思い、読んでみれば、その世界は
まぁ ぶっ飛んでいて、なんというか 凄い。

川上さんが 仰天されたように、この小説は、すごいな
と わたしも思った。 まだ 途中なのですがね。


文章からの、情報量が 多いうえに、難しい漢字も多く
そのうえ 人間は出てこない。登場するのは、池の底に
投げ込まれた、いくつかの陶器と、魚たち。

なのに、荒唐無稽だと 感じさせず、次の展開も気になる。
でも、すらすらと進めない…。


読んでいて、考えることがあったので、前後の意味が
つながって いないのですが[ふらふら]、抜粋しました。

本当は 輪廻の順番には 善いも悪いもないんだろう。そんな心掛けとは 関係なしに 万物は流転する、…略。30頁

機嫌をとりながら 彼の経歴を 匂わせて脅迫し、人間にも 大蛇にも、木にも草にも、土にも水にも、万有に変身する方法を 吐き出させることにある。つまり 輪廻の相を 一身に体現して、万有すべてが 偽物であるということを 証明してみせたいのである。33頁


ニセモノ、イカモノというのは、良い意味では 使われ
ませんが、ここでいう偽物 という言葉には、妙な安堵を
おぼえました。


現実逃避な 話題になりますが…(笑。

前世は気になるけれど、来世には、あまり興味がない。
今で 精一杯だからで、そこまでは あはは。

輪廻転生が あるのならば、今の わたしも、真のわたし
では ないのではないかなぁ。と 考えていた。

そういう意味では、永遠の ニセモノ。変なこと 言って
すみません= (*´Д`)


なんだか、そう考えると 途端に、肩の力が 抜けてゆく
ような 気になったのです。

読み 途中なので、追々、また感想を書こうと 思います。






タグ:田紳有楽

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