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オレンジガール [海外作家]



ヨースタイン・ゴルデル 著 / NHK出版

猪苗代 英徳 訳







(けっこう前に読んだので、記憶 あいまい)

児童向けの本 だそうですが、とくに 気にならない。

それはそうと、タイトルだけ見ると、とってもポップ。


青年が、オレンジの沢山入った紙袋を 抱えた女の子と、バスの中で
出会ったのを機に、色んな処で彼女に遭遇します。

そして青年は、いつしか彼女に 恋心を抱くようになる。その彼女は
いつも、オレンジと 関係して現れるので、オレンジガール。

前半は、あの娘は 一体 誰?と 追うかたちで、後半には その謎も
解けてゆき、違う展開へとむかう。

そして、ラストのほうは 泣けてきました。

(これじゃ 何んのこっちゃ分かりませんね・笑)



(結末を書いています)

キーワードは、ハッブル宇宙望遠鏡[やや欠け月]
 
主人公は、15歳の男の子。女の子を探すのが、父親。
そして 後にオレンジガールは、その子の母親になる。

父親は、自分のヨメイが 僅かであることを 知ってから、今は幼い
息子が いつか理解できる その時に備えて、長い手紙を 残してゆく。

その手紙は、その子が大きくなる時までずっと、誰にも 分からない
場所に 隠されてある。

父親が パソコンに向かい、成長した時の ゲオルグ宛ての 手紙を
書きながら、視界の隅には幼い息子を捉えている。

ゲオルグが それを読むときには、自分はすでに この世にはいない…。
でも 手紙は、今この瞬間に綴っている。

(伝わりづらいでしょうか? 表現 が乏しいもので)

その光景を思い浮かべると、死というのは とても残酷。切なすぎる。


成長し、今 その手紙を読んでいる ゲオルグ。父親が 幼い自分の傍で
それを書き続けていた事実。その時も、自分はその傍にいた。


父親の現在の想いと、後に それを知ることとなる 息子の間に 流れる
時の連なり をかんじ、ふしぎな感慨に陥った。


その ふしぎな、とは『 現在 』と『 未来 』というのを 、当然のように
別々の地点として、点と点…と 積み重なり 地続きになっているように
私は 捉えているけれども

ほんとうにそうなのだろうか。なんて考えたりしたので。


人がいなくなったり、自分の年齢が上がったり、季節の移ろい、太陽の
昇り降り とうとう。

そいうことで、時が経ったと思うだけであって、実は、ただ 同じ地点に
ずっと居るに すぎないのでは、ないだろうかと 思えてくる。


宇宙的な 容量を持った、脳という『ふくろ』を抱えて、ぽこぽこ と
そこに、色んなものが 入っていっているだけの、そんな気が しない
でもない(笑。

『 時間 』の哲学は、深すぎて迷い込んでしまう、というのを 記されて
いた方が いたので、興味はあったが やはり畏れ多いは…。

(『 眠り 』からの影響も、少なからず ありますかね、これ追記している
箇所もあるので)


冬の寒空の下、星を眺めながら、父親が幼い息子に色々な ことを伝える
ページは、泣けてきました。

この本は、良い言葉が沢山あるので、またいつか 手にとりたいと思う。


北欧の 冬の夜空は、さぞかし美しいのだろうな、はぁ。







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